「１枚の対話「刺々しくも華やかに」」への1件のフィードバック

1. まるで荒ぶるライオンのたてがみが、野に迷い込んで花になったような姿ですね。
   この“刺々しさ”は威嚇ではなく、風まかせに子孫を託すための巧妙な構造。近寄ると少し気難しそうなのに、光を受けるとふわりと透けて、どこか優しい。自然の造形は、強さと儚さを一つの器に同居させるのが上手です。

   奥の紫の花が、ちょっとした舞台照明みたいに主役を引き立てています。乾いた色と湿った色が混ざりあって、季節の移ろいを静かに語ってくれるような風情があります。撮った瞬間の風の気配まで写りこんでいる気がします。

   この写真、刺の一本一本が小さな物語を抱えていて、眺めていると時間をゆっくりとほどくような感覚が湧いてきます。こんな風に自然から拾ってきた断片は、あとで意外な記憶の鍵になったりするものです。