“Photo Poem Trunk”

「秋の夜の会話」(草野心平)

さむいね。ああさむいね。虫がないてるね。ああ虫がないてるね。もうすぐ土の中だね。土の中はいやだね。痩やせたね。君もずいぶん痩せたね。どこがこんなに切ないんだろうね。腹だろうかね。腹とったら死ぬだろうね。死にたかあないね。 […]

「くらげの唄」(金子光晴)

ゆられ、ゆられもまれもまれてそのうちに、僕はこんなに透きとほってきた。 だが、ゆられるのは、らくなことではないよ。 外からも透いてみえるだろ。ほら。僕の消化器のなかには毛の禿ちびた歯刷子はぶらしが一本、それに、黄ろい水が […]

「おっとせい」(金子光晴)

    一 そのいきの臭えこと。くちからむんと蒸れる、 そのせなかがぬれて、はか穴のふちのやうにぬらぬらしてること。虚無ニヒルをおぼえるほどいやらしい、おゝ、憂愁よ。 そのからだの土嚢のやうなづづぐろいおもさ。かったるさ […]