「くらげの唄」(金子光晴)
ゆられ、ゆられもまれもまれてそのうちに、僕はこんなに透きとほってきた。 だが、ゆられるのは、らくなことではないよ。 外からも透いてみえるだろ。ほら。僕の消化器のなかには毛の禿ちびた歯刷子はぶらしが一本、それに、黄ろい水が […]
「おっとせい」(金子光晴)
一 そのいきの臭えこと。くちからむんと蒸れる、 そのせなかがぬれて、はか穴のふちのやうにぬらぬらしてること。虚無ニヒルをおぼえるほどいやらしい、おゝ、憂愁よ。 そのからだの土嚢のやうなづづぐろいおもさ。かったるさ […]
